【失敗回避】転職の目的と視座について

キャリア

転職活動をする上で”あるある”なのが、こんなエピソードです。

「いろんな求人にエントリーしたけど、結局1年掛けて貰えた内定は1社のみ…。」
「希望条件はちょっと妥協せざるを得ないけど、ひとまず今の会社から脱出はできるわけだし、このままでいるよりはマシだろう」

⇒ 転職する

⇒「前の会社よりブラックだし、給料も安い!?こんなはずじゃなかったのに…」

このエピソード、一見すると「この人アホだな」くらいに思う人が殆どだと思いますが、笑っているそこのあなた。
結構これ起こりがちなので、舐めない方がいいですよ!(いや、ほんとに。)

なんでこんなことが”あるあるレベル”で起きてしまうのか。
それは単純に「転職の目的」を定められていなかったり「圧倒的な調査不足に気付かず転職してしまう人が多い」からなんです。
ある意味で必然的に起きたものとも言えます。

どうせ転職するなら、こうはなりたくないですよね。
じゃあこんな失敗を回避するにはどうしたらいいのか?今回はそんなお話です。

転職とは何のためにするのか?

そもそも転職市場とは一体どんな状態なのか?
『Job総研』を運営する株式会社ライボのアンケートによると、転職経験が「ある」と答えた社会人は実に全体の68%。
転職そのものは”あって当たり前”の時代にあるのは間違いなさそうです。

一方、転職によって「自分の欲しいキャリアが手に入った」「年収アップに繋がった」「職場環境が良くなった」なんていう『勝ち組』もいれば、そうでない人もいるようで。

今回は分かりやすく転職の成否を「年収が上がったか、下がったか」で見て行きますが、『ミライの仕事』の調べでは転職経験者のうち「年収が上がった」が43%、対して「年収が下がった」が41%。
なんと転職による成功・失敗の確率は『ほぼ50%』ということが分かりました。

もちろん年収が全てではないですし、中には年収が下がってでも「遣り甲斐のある仕事を求めて転職した」という方もいるでしょう。
とは言え年収は上がるに越したことはないですし、好き好んで安い給料を受け入れて転職している人は多くないはずです。
仮に年収アップを転職の目的・軸に置いた際に、なぜ同じ転職という行為を介して”上がる人””下がる人”がいるのでしょうか?

差ができる要因の一つとして、まずそもそもの『転職という行為』について、あまり深く考えずに行動してしまっているパターンが挙げられます。
要するにその転職における『目的やゴールが曖昧』ということです。
「そもそも何のために転職したいんだっけ?」「なんで年収アップしたいんだっけ?」としっかり自問自答し、まずは自己分析をすることが何よりも大切です。

引き続き、転職によって「年収を上げたい」という目的があったとして話を進めますが、ではこの「年収を上げたい」という目的は、一体「いつまでに」「どういう稼ぎ方で」「いくら欲しい」のでしょうか?

例えば、キャリア序盤は給料が安くても年齢とキャリアに応じて段々上がっていく『年功序列型』の企業もあれば、基本給は基本的に変わらないもののインセンティブによって大きく上下変動する『成果報酬型』のパターンもあります。
多くの企業が前者のパターンかと思いますが、不動産や保険業界の営業マン、或いはスタートアップやベンチャーだと後者のパターンも多いでしょう。
特に外資系企業になるとよりインセンティブが大きいので、プレイヤーとして優秀であれば年収1,000万円以上を稼ぐのも夢ではありません。

言わずもがなですが、キャリア序盤からたくさん稼ぎたいのでされば『成果報酬型』、地道にコツコツキャリアを積んでいきたいのであれば『年功序列型』という選択になります。

しかし仮に『成果報酬型』が良いという事で『インセンティブの高い営業職』に就くとした場合ですが、ありがちなのがキャリアの最初から最後まで毎日やることが変わらない上、どれだけ歳を取っても契約を取り続けない限り一定の給与水準を保ち続けることが出来ないので、年収が下がる怖さともずっと戦い続けなければならないシビアな世界であるというのがあります。

分かりやすいのが不動産や保険の営業です。
実績に応じてインセンティブがガツガツ入るのでキャリア序盤から高収入は得られますが、基本的には「不動産を売る」「保険を売る」を毎日繰り返すだけで同じモノを毎日売り続けることになるので、やることや得られる経験が限られます。
途中で飽きてキャリアチェンジするパターンでの離職が非常に多い業界でもあります。

また収入は青天井である反面、ちゃんと活躍できなかった場合には大きく収入が落ちる可能性もあるので、人によっては大きなリスク・デメリットも潜んでいるわけです。
ずっと現場最前線の営業マンで行くのであれば、実績を出し続けられる限り実入りは増えるかもしれませんが、どれだけ歳を取っても契約を取り続けなければならないという”しんどさ”もあるでしょう。
将来的には営業マンとして”プレイヤーのまま”で行きたいのか、”マネジメント”をしたいのか、或いは”幹部”や”役員”になりたいのか。
そこまで自分の描きたいキャリアをしっかり意識した上で転職を決められるかどうかが成功・失敗を大きく分けます。

繰り返しになりますが「結果を出したらその分だけ欲しい」のか、或いは安定的に「基本給が高い職種」に就きたいのかによって話が変わってくるので、自分が「どういう稼ぎ方で年収を上げて行きたいのか」を突き詰めて考える。
可能なら「なんでそうなりたいのか?」を人に説明できる程度には掘り下げておいた方が良いでしょう。

また、より具体的に『年収は〇〇万円以上アップしたい』などハッキリしていると、そもそもその目的や要望が「現実的に狙えるラインなのか」も分かるようになってきます。
自分の立てた計画が実行可能なのか絵空事なのかもちゃんと把握するようにしましょう。

もちろん「今の会社でそのまま残り続けキャリアを積む」という手段だってあります。
あくまで転職は目的ではなく手段に過ぎないものであり、その手段を有効活用できるかどうかはまず自分次第ということを肝に銘じておくべきです。
逆に目的や時間軸、ロードマップをしっかり策定できれば、転職は自分のキャリアをデザインする方法の一つとして活用できるでしょう。

なぜそれでも失敗するのか?

転職において目的が必要な理由はお分かりいただけたかと思いますが、そんなの当たり前だと思う方も多いでしょう。
実際しっかりとした目的をもって行動されている方もたくさんいます。
しかしながら残念なことに、実際目的を持って転職活動をしていても、終わってみれば「条件が悪くなった」なんていうことはザラにあるんです。
なんでこんなことが起きてしまうのでしょうか?

結論から言えば『気づいたら視座が下がっていた』『情報不足』の2つが主な原因です。

例えば、最初は「今まで経験したことのない新しい仕事にチャレンジしたい」という強い志と目的を持って転職活動をしていたとします。
でもなかなかエントリーシードが通らず、やっと面接に漕ぎつけたかと思えば一次面接落ちの繰り返し。
しかも面接に落ちた理由も良く分からいままで、何をどう変えて良いのかも分からない。
うまくいかなくて、段々自信がなくなってくる。
そうすると最初の目的を見失ってきてしまい、気が付けば転職すること自体がゴールにすり替わってしまっていて、とにかく「転職しなくちゃ」「内定貰わなきゃ」に段々行動が変わってきてしまうのが人間です。

つまり自信がなくなったことで、自分で勝手にハードルを下げてしまっているんです。
そしてそうした状態、すなわち『視座が下がった状態』で転職活動を続けると更に『今の会社から早く転職したい』『逃げたい』というようなネガティブな気持ちも強くなり、負の感情を動機とした行動をはじめます。
するとどうなるか。
年収なんてほとんど変わらないか下がるのにも関わらず、また自分が本当にやりたかったことが叶えられる企業ではなかったのに、『とりあえず内定もらったからいいや』とか『今の会社よりは多分マシだろう』と中途半端かつ安易な気持ちで転職先を決めてしまうのです。

こうして冷静に、客観的に見ると転職が上手く行かないのも頷けるかと思います。
これでは何のために転職活動してたのか分かんなくなっちゃいますよね。
でもいざ自分が当事者になると、こうなってしまうケースはよくあるので注意が必要です。

転職を成功させる3つのパターン

ここまではあくまで転職における”失敗を回避するための話”をしてきましたが、逆に成功する人のパターンって何なんですかって話にもなるんですが、まず年収アップっていう観点においては、大きく分けて3通りのパターンがあります。
1つ目は、純粋なキャリアアップ型の転職パターン。
2つ目は業界のシフト型の転職パターンです。
そして最後の3つ目は、この2つの方法をミックスさせたわらしべ長者型のパターンです。

本当はこの辺りについても詳しく書きたいのですが、今回は話が長くなり過ぎてしまうので、また別の記事で上げる予定です。

もしくは私が提供している『キャリア相談』にお申込みいただければ、そういったお話も提供が可能ですので、ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。

転職をもう考えていて動き始めたい、もしくはすでに活動を始めている方に『転職支援』にて『今すぐの転職』『無料でサポート』していますので、そちらも併せてご利用くださいね。

情報を集めよう!!

話が前後してしまって恐縮ですが、最後に転職失敗の理由の1つである『情報不足』についてです。
転職を何回も経験してる方であればまだ良いのですが、特に初めての転職をぼんやりとでも考えてるそこのアナタ。

転職したいと思ったタイミング、或いは今の会社の退職を決めたタイミングから情報収集していたのでは遅いです。
むしろ転職で失敗する可能性がめちゃくちゃ高いです。

まず転職市場における求人は、今までどのくらい見てますか?どのくらいの企業があるかご存じですか?何も知らない状態で、或いは限られた情報の中で『転職すべきかどうか』をどうやって判断しますか?
さらに言ってしまえば、いま自分が普段やっている仕事も『会社や業界が変わるだけ』『年収や条件が大きく上がる』可能性だってあります。
そういうことにすら気付かないまま過ごし、いつかある時に「なんとなく転職してみようかな?」で動き出しても、良い企業と出会える確率なんて低いのは言うまでもありませんよね。

また逆算的に『このくらいの年収を貰える会社に行くためには何が必要か?』といった情報も、求人を眺めているうちに『評価される(ニーズがある)スキル・経験』『評価されない(ニーズがない)スキル・経験』が分かってきます。
もちろんそういった情報は『転職したい直前のタイミング』より遥か前に知ることが出来れば、将来的に転職したいタイミングまでに『評価されるスキル・経験』を予め意図的に積んでおくという動きが取れるようになるのです。

そしてただ求人を眺めるだけでなく『転職相談・エージェント』に登録をし、実際に面談も何社か受けてみましょう。
転職会社及びエージェントはその道のプロですので、求人市場についての情報収集が効率よくできますし、もちろんエージェントしか知りえない求人も中にはあります。
或いは『メンター』という転職スキルをコーチングしてくれるサービスもあるので、そういったものを利用するのも手です。
特に面接対策のための『面接ロープレ』であったり、履歴書や職務経歴書の添削など事細かに教わりたい方は転職エージェントよりも転職メンターの方が良いでしょう。
転職を成功させる為には、そうして情報収集を行いながら『転職スキル』も同時に磨いておくことがマストです。

下記にざっくりとですが、おすすめの転職エージェントや求人を扱う会社のリンクを貼っておきますので、転職で失敗したくない人必ず登録し、数回は利用しましょう。
そして登録から面談調整まではなるべく1週間くらいを目途に行ってください。
情報を集めるという段階で、初動にあまり多くの時間を使わないようにしましょう。

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